道のり4 やっぱ薬?

最初に「アトピー性皮膚炎」と診断されたのは、高校一年の夏だった。

風呂上りにテレビを観ていると、首から肩にかけて痒くなった。

それは虫や蚊に刺された時のような一点集中型の痒みではなく、少し広範囲にわたるモヤモヤした感じの痒みで、皮膚の表面ではなく内側がムズムズするような感じだった。

今なら、「コレ、もしかしてアトピー?」となるだろうが、当時は全く事情が違っていた。

当時はまだ「アトピー」と言う単語を知らない人の方が圧倒的で、事実、私も知らなかった。

周囲を見渡しても、アトピーの人はいなかったし、花粉症なんかも聞いたことがなかった。

逆にアレルギー疾患と言えば、当時は「喘息」が定番だったように思う。

「大したことないだろう」

それまでの経験から、少しの痒みなら時間が経てば自然に消えるし、実際、この時はその通り何もせずに消えた。

なので翌日には、痒みのことはすっかり忘れていた。普通に授業を受け、普通に部活して帰宅。全く問題ない。痒くなるのは、入浴後の1時間限定だったのだ。

「変だな?」

そう感じたのは梅雨の頃。痒みは相変わらず、入浴後の1時間限定だった。

鏡に映った首を見ると、乾燥したようにカサカサしているのだ。

短時間とは言え、同じ個所を毎夜掻くわけだから、当然かもしれない。

「やれやれ・・・」

まるで他人事のように皮膚科へ行ったのは、夏の高校野球の地区予選が始まる前だった。

大会前の合宿を控え、スッキリしておきたかったのだ。

皮膚科では、丸いプラスチックの容器に入った真っ白な軟膏を処方された。

その日の診察は以上。

患部を診て、塗り薬を処方され、検査とかはなく、病名も告げられず、「これで様子をみよう」。そんな感じだった。

入浴後、処方された軟膏を塗ってみた。サラサラした感触が皮膚に馴染んで、違和感とか不快感は感じなかった。

この軟膏は実によく効いた。そして、入浴後の痒みは消えた。

「やっぱり薬や!」

数日後、痒みは全く消えた。

「一件落着!」

問題は解決したかのように思えた。