秘話5 アトピー?それ何?

克服秘話

アトピー? それ医者が治してくれるんでしょ?

いつも「変化」が目に見えるとは限らない。

自分の知らない所で、アトピーは確実に悪化していた。

数日後、あの痒みが戻ってきた。

「ん?またか?」

相変わらず、他人事のようだった。

熱が出るとか出血とか、そういうことではないから生活に支障はない。しかも痒くなるのは入浴後だけ。

「薬で痒みが消えるなら結構なことだ」

全然、真剣になれなかった。痒くなれば薬を塗る。痒くなければ何もしない。この繰り返し。

生活習慣を見直すなんて発想は、全然ない。

頭の中は女子のことばかり。
この点、ごくごく普通の健全な男子高校生だった。

ある日、塗り薬が無くなった。

仕方がないのでまた皮膚科へ行った。
その時初めて、医者から病名を知らされた。

「アトピー性皮膚炎ですね」

「アトピー?」

知らん。そんな単語。「皮膚炎」なら想像は付く。が、「アトピー」の意味がわからない。

「それ、病気ですか?」

聞くしかなかった。

「まあ、病気と言うほどでもない」

そんな返答だったと思う。
その後、採血して前回と同じ軟膏を貰った。

二週間後、検査の結果が出た。

「ダニとハウスダストですね」

この瞬間、私は自分の血管の中でダニが泳いでいる姿を想像していた。

その後、一通りアレルゲン検査の説明を聞いた。が、特に指示はなかった。「治るのか?」と言う疑問が頭によぎったが、何も聞かなかった。

「医者は全てお見通し」
「患者が口を出す必要はない」

そんな風に思っていたからだ。

事実、風邪もハシカも中耳炎も水疱瘡も、医者は全て治してくれた。

「家を建てるのは大工の仕事」
「病気を治すのは医者の仕事」

医者に治せない病気なんてない。

アトピーも同じ。

「任せておけばいいのだ」医者の言うことを真面目に聞いてりゃそのうち治る。

当時の私は、本気でそう信じていた。


秘話6 診察なし薬だけパターン成立!

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