道のり14 光明

1980年代、アトピーの情報はテレビや雑誌、書籍が中心だったが、情報そのものが不足している上、患者にとって実際に「使える情報」は皆無だった。

アトピー関連の書物は、大きく分けて3つのパターンがあった。

ひとつは、皮膚科医の書いた本。

これはアトピーとは何か?医学的な知識を得るには良いが、具体的な治療法となると「主治医の先生に相談しましょう」と締めくくってあるものが大半。

ふたつめは、小児科医の書いた本。

これは食事制限中心の内容が多く、卵、牛乳、大豆の3大アレルゲンを食べない除去食の解説が多かった。

最後は、民間療法の会社が出している本。

これはステロイドの恐怖を煽る一方、自社の療法で良くなった体験談のオンパレード。写真付きの豪華版もあった。

「どうすればアトピーは治るのか?」

ところが、当時、私のこの素朴な疑問に答えてくれる本は無かった。

そんな29才の頃、私に衝撃と希望の光を与えたくれたのが、甲田光雄医師の本だった。

甲田医師は断食や超少食療法で独自の療法を確立。アトピーをはじめ、多くの慢性病や難病の治療に効果をあげていたことで、当時はマスコミも頻繁に取り上げていた医師だった。

甲田医師の説によれば、万病の元は腸に付着した宿便によるもので、この宿便の解消により、アトピーも確実に治ることが分かりやすく紹介されていた。

甲田療法は投薬による副作用や手術によるリスクがなく、人間本来の治癒力を高めることで、あらゆる万病を克服することを目的としていた。

断食、超少食、生菜食、玄米菜食、宿便、腸壁。

今まで通院していた医療機関では聞いたことのない単語ばかりで、実際、私地震も「これがアトピーと何の関係があるのか?」と思えるようなものばかりだった。

この甲田療法が単に症状を抑えるだけの対症療法ではなく、病気そのものを治す根治療法であったことや、治療費が掛からないこと、そして今までの治療に対する憤りもプラスされ、私はどんどんこの療法に魅力を感じるようになった。

「もう、これしかない!」

私は、よくやく自分の人生に光が差し込み始めたように感じた。