2 痒み対策はこうする

治し方

アトピーの痒みはワンパターンではない。良くなる過程でパターンは必ず変化する。この現実を事前に知っておくことは大事で、これは「好転反応」とは異質のものなのだ。

痒みのパターンは変化する

さて、ここでは「痒み対策」について触れておきます。

アトピーが良くなる過程では、必ず痒みのパターンは変化します。で、この変化はそれほど神経質にならなくても文字通り肌で分かる筈。イメージ的にはアトピーが悪化した時のことを思い出して頂きたい。

要するに、

アトピーの痒みは、結局のところ、炎症の度合に準じているのです。

言い換えると、

炎症を抑える(薬を使わず自力で)ことが出来れば、痒みは消える=アトピー治る。

たったこれだけの話なのですね。

だから、アトピーは皮膚の病気ではないのです。

では、今一度、痒みのパターンを見直しておきましょう。

アトピーの場合、大別すると痒みのパターンは以下のふたつ。

では、早速観てみましょう。

パターン1
時間は短いものの発作的な激しい痒み。これは夕食後や入浴後のリラックスタイム、つまり副交感神経が優位に傾く夕方以降にやってくるパターンで、炎症の悪化に伴い時間は長くなる傾向にあります。

パターン2
ダラダラと続く慢性的な痒み。この場合、時間帯としては交感神経が優位に傾く朝から夕方までが多く、場合によってはパターン1の後、明け方まで延々と続く場合もあります。炎症が軽度な段階でこのパターンが突然やってくることはありません。

大まかに分けるとこんな感じですね。でもこれはあくまで典型例。

例えばステロイド離脱後のリバウンド状態ではパターン1&2の地獄状態。つまり24時間連続の痒み+痛みを味わうことになります。一般的にはパターン2を突然に経験することはなく、パターン1の流れから次第にパターン2を伴うようになるケースが多いと思います。

「掻くから治らない」は本当?

ここまでくれば、アトピーを制するコツも見えてきますよね?

「アトピーは掻くと治らない」
「掻き壊した皮膚から再びアレルゲンが侵入しますから」
「この繰り返しでは、いつまで経っても治りません」

こんなアドバイスから、必死で掻くのを我慢した経験ありませんか?

私の経験からすると、このアドバイス、微妙に違います。

結論から言うと、

掻くことを我慢しても、その努力が報われる可能性は限りなく低い。

これが、私の実体験です。

つまり、

アトピー性皮膚炎と言う病気は「掻く」「掻かない」と言う方向で頑張ってみた所で、結果を残せる相手ではないと言う話です。で、ついでに言っておくと、ステロイドを「使う」「使わない」とか、保湿を「する」とか「しない」なんかも全部同じ。

そういう類は全部、本質(幹)ではなく枝葉の問題です。(バッサリ)

その証拠に、自らの体質改善(炎症が起こりにくい)することで、問題はキレイさっぱり解決されますから。私の場合、完治したのはアトピーだけではありません。それまで併発していた鼻炎や結膜炎もキレイさっぱり治りましたから。

なので、

掻くことを薦めはしませんが、少なくとも「罪悪感」を持つ必要はないと思うんです。と言うか、「罪悪感」とか「自己嫌悪」とか、そういう類の感情の方が圧倒的によくない。と私は感じています。

このこと、今は深く触れませんが、単なる「精神論」として軽く流さない方がいいです。いづれまた機会があれば詳しく。

で、アレはダメとか、コレは良くないとか、そういう善悪の感情を乱高下させることなく、淡々と自分の道を歩んで頂くことが大事かと思います。

ちなみに、

激しい痒みに襲われた場合、最善の対処法とは何だと思いますか?

実はコレ、選択肢はひとつです(クスリは別として)。

答えは「冷やす」。

これはある意味、火傷の対処法と同じ。患部を冷やす。これが正解です。

火傷をした時、とにかく流水で患部を冷やしますよね?

何故か?

それは、これが跡を残さず、最も即効性のあるやり方だからです。

炎症に対しては「冷やす」のが最も効果的。

では、痒みが広範囲の時はどうすればよいのでしょう?

使えるものはどんどん使う

自身の体を根本的に変える。

具体的には炎症が起こりにくい体質を目指す訳ですが、当然、これには時間が掛かります。

通常、私達は学校や会社に通いながら、同時にアトピーも治さなくてはならない。現実には環境下の人が大半です。で、長期入院を前提とした患者さんならともかく、普通のアトピー患者さんがステロイドを「使う」「使わない」とか、脱保湿を「する」とか「しない」とか、そんな議論を前提にして本当にアトピーを治せるのでしょうか?

自分の身体を内側から根本的に変える。

ここがゴールです。

で、このゴールに到達すればアトピーは嫌でも消える。これが現実です。

ならば、

ゴールに到達するまで、使えるものは何でも使えばよい。と思うんです。

例えば、先ほどの痒み対策の件、

痒みが広範囲に渡れば、水風呂に入る訳にもいきません。だったらアイスノンを複数個使って冷やすことはできます。押し売りするようで恐縮ですが、私のおばあちゃんが直伝してくれた化粧水なんかも使えます。

大切なのは、日々の生活に落とし込める簡単な習慣を継続することです。

痒み対策がそうであるように、特別なことは何も要らないです。シンプルなことを繰り返す中で必ず道が開ける。私はそう思うんです。