11 ステロイド呪縛からの解放

アプローチ

「ステロイドを止めない限りアトピーは治せない」と思っている人がいる。だがステロイド離脱に成功することと、アトピーが治ることは全く違う話。

ステロイド離脱の先にあるもの

「ステロイドは使いたくない・・・」

この国では、アトピー患者の大半がそんな風に思っています。(きっと)

その一方で「ステロイドを使わない治療なんて」と多くの医者が嘆いています。(たぶん)

これで結果を残せるのでしょうか?

ステロイドに不信を抱いたままの患者と、そんな患者を「厄介」と感じる医者の溝が埋まらないまま、民間療法に走る患者の構図が今も続いている気がします。

いずれにせよ、問題の根にあるのはステロイドですね。

ところで、

実際にアトピーを治してみると「ステロイドを使う・使わない」なんて話は、アトピー治療の本質ではないことに気付きます。

ステロイドを使っても使わなくても、治る時は治るし治らない時は治らない。

これが真実です。

確かにステロイドを「悪魔の薬」と思い込んでいた頃の私は、ステロイド離脱に成功することがアトピーを治すための登竜門と信じていました。

だから、死に物狂いで地獄のようなリバウンドに耐えた。

でも、この努力は報われませんでした。

我慢してステロイドを止めても、アトピーが治ることはなかったのです。

何故でしょう?

それはステロイド離脱に成功することと、アトピーが治ることは別問題だからです。その証拠にステロイド離脱に成功しても、アトピーを治せないままの人は大勢いますから。

アトピーを治すにはアトピーを治すための努力

ちなみに、私のアトピーもステロイドを止めたから治ったのではありません。アトピーを治すための取組みをしたからアトピーが消えたのです。

これは冷静になって考えればわかります。

ステロイドが原因でアトピーになったのなら、ステロイドを止めればアトピーは治る筈。ところが現実はそうじゃない。むしろ逆です。ステロイドを使ったのはアトピーと診断されたから。

そう。アトピーと診断されたからステロイドを使用したのです。

だったらステロイドを止めれば元のアトピーに戻るだけ。単にそれだけの話。ステロイドを止めてアトピーが治る理由はどこにもありません。

アトピーとは無関係な人にとって当然な話が当事者、つまり私のような重症化した患者はついつい錯覚に陥ってしまう。

「ステロイドの悪い毒が抜ければアトピーは治る!」と。

これはまるで「抗ガン剤を止めればガンは治ります!」と言ってるようなものです。逆に、アトピーが治ればステロイドは確実に切れます。と言うか、不要です。

なので、

「ステロイドでアトピーを治す」という治療も「ステロイドなしでアトピーを治す」 と言う治療も、私には不自然に聞こえます。

そんなに「ステロイド」「ステロイド」って躍起にならなくても大丈夫ですから。

ステロイドの呪縛から解放たれて下さい。

さて、次は「遺伝」ついて話ておきます。

遺伝なんて気にしない