9 計画なくて完治なし

アプローチ

重症化した成人型のアトピーには場当たり的な努力が通用しない。根性や忍耐をベースにしたポキッと折れるような努力では駄目なのだ。

アトピーは「治そう!」と決心して治せる病気

アトピーはコントロールするだけの病気ではないし、不治の病でもありません。

私の経験からすると、この病気は毎日の生活の中でやるべきことをしっかりと実行すれば治るようになっています。

そのためには克服までのシナリオを把握し、事前に計画を立てておく必要があります。

アスリート達って、本番まで地道な努力を続けるでしょ?

試合に勝つ!そのためのトレーニングメニューを作り、後はそれに従って毎日黙々と練習を続ける。あのイメージです。

ところで、

このメニュー。根性や気合い、忍耐をベースにしたらどうなると思いますか?

挫折しますよ。多分。そりゃ持たないです。いくら一流のアスリートでも。だから無理のない計画性のある内容にしなくてはいけない。

アトピーも同じ。

場当たり的な思いつきだけでは治せない。

その理由は?

続かないからです。アトピーを治す場合、本当に大切なのは「継続」。ここはもう凄く大事。なので場当たり的なモノに大切な時間とお金を注ぎ込んじゃいけないんです。

生活習慣を徹底的に見直す。

こっちです。やるべきことは。これがアトピー完治への最短距離になる訳です。

アトピーとの戦いは4パターン

努力の中味と方向性さえ間違えなければ、アトピーは努力した分だけ報われます。

自分の体は自分を裏切らないからです。

ところで、

アトピーとの「戦い」と言えば、結果は以下の4つ。

「勝ち」「負け」「引き分け」「相討ち」

これ以外にはありません。

ちなみに、この4つ。

以下のように解釈すると分かりやすいでしょう。

・勝ち=完治。アトピーとは無縁の状態。
・負け=アトピーのまま。或いはさらに悪化。
・引き分け=薬で症状をコントロール。
・相討ち=薬無し。でもアトピーのまま一進一退。

では、アトピーとの戦いに勝つ秘訣とは何でしょう?

それは、「最初から負けると分っている戦いはしないこと」

これに尽きます。

局地的な「負け」はいいんです。そこはあまり気にせず冷静に対処します。で、要は大局的な戦そのものを制する。アトピーを「治す」とはそういうもので、それが「アトピー完治への道」です。

コレって、プロ野球や大相撲が参考になるかもしれません。

「全勝」なんて、そもそも無理な話なんですよ。

プロ野球なら140試合中80勝もすれば優勝で、大相撲なら8勝7敗で勝ち越しですから。だから長期戦をトータルで勝つイメージですね。

逆に、やってはいけないのが「短期決戦」です。

この戦い方でアトピーと向き合えば玉砕されてしまいますよ。

では、具体的な『勝ち戦』とはどのようなものでしょう?

免疫系より消化器系

一般的にアトピーは「免疫疾患」と言われています。

ご存知のように、免疫疾患とは免疫細胞が自分の体を攻撃する病気です。で、この分野の研究は薬品の開発と直接結びつくため、多くの企業が参加して今では遺伝子レベルの研究がされています。

ところで、

この研究が進むと問題は解決するのでしょうか?

本当の所はよく分かりません。

でも私が今アトピー患者なら、もう免疫系の治療には目を向け無いと思います。理由は単純。今まで免疫系の治療にやっても、アトピーが治らなかったからです。

白血球やT細胞、マクロファージといった言葉、聞いたことありますか?

これらは免疫細胞と呼ばれ、体内に侵入したウイルスや病原菌と闘い、病気の発症を防ぐための大事な細胞だと言われています。

ところが、

この免疫細胞の中に少々出来の悪いのが混ざると、花粉やハウスダストなど人体に害の無いタンパク質に過剰に反応してアレルギーを引き起こしてしまう。

では、どうしてこんな免疫細胞ができるのか?

実は、この鍵を握っているのが「消化器系」。
それは、消化管が人体最大の免疫臓器であることからも明らかです。

要するに、

胃腸の働きが健全でないと強い免疫細胞は育まれず、 敵も見方も判断できない出来の悪い免疫細胞を配置させてしまうことになり、これが厄介なわけですね。なので生命を守る免疫細胞は、常に精鋭部隊を配置しておかなくてはいけない。

免疫細胞君には「敵は敵。味方は味方」と、違いをシッカリ認識して貰う必要がある。

だから、

本気でアトピーを治したいなら消化器系を正常に働かせる所から取組むのが自然な流れ。つまりアトピーとの戦いを制する「勝ち戦」の基本。と私は思うのです。

さて、ではいよいよ「胃腸の健全化」に進みましょう。

胃腸の健全化